今やメディアで報道されない日はないほど盛り上がりを見せる 2020東京オリンピック・パラリンピック。
開催期間はオリンピックが2020年7月24日(金)~8月9日(日)、パラリンピックが2020年8月25日(火)~9月6日(日)です。
ただでさえにわかスポーツファンになってしまうこのお祭りがなんと東京で開催される事が決定し「なんらかの形で関わりたい!」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はこの世界的イベントの一員であるボランティアとして参加する方法を通訳案内士目線で探っていきたいと思います。
そもそも…オリンピックのボランティアは何をするの?
東京都オリンピック・パラリンピック準備局によると2020年大会のボランティアは
「都市ボランティア」と「大会ボランティア」に分けられるようです。
「都市ボランティア」は開催都市である東京都が募集や選考を行い、
「大会ボランティア」は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が行います。
「都市ボランティア」の活動場所は主要な空港やターミナル駅、観光地などに設置するブースやその周辺がメインで国内外からのお客さまが東京を楽しむことができるようにサポートするのが役割。
それに対し「大会ボランティア」は競技会場や選手村などの大会関係会場で、観客サポート、競技運営や会場案内、輸送などの大会運営を支えます。宿泊や交通費は自己負担ですがユニホームが支給されるようです。
ロンドン オリンピックでは大会ボランティアを Games Maker、都市ボランティアを Team London Ambassador と呼ぶなど、ボランティアの役割、期待はとても大きかったようです。
気になる募集人数はというと「都市ボランティア」は1万人以上、「大会ボランティア」は約8万人の募集をすると発表されています。
想像以上の人数に個人的にとても驚きましたが、ロンドンやリオデジャネイロ大会では
大会ボランティア7万人の募集に対し3倍以上の人が応募するというかなりの狭き門だったんだとか…!
ズバリ、どんな人がボランティアとして採用されやすいのか?求められる語学力は??
「大会ボランティア」は、専門性が求められる部分が大きいようです。
2016年 7月4日、大会ボランティアに求める要件の素案が明らかになりました。
それは...
-コミュニケーション能力がある
-外国語が話せる
-1日8時間、10日間以上できる
-採用面接や3段階の研修を受けられる
-20年4月1日時点で18歳以上
-競技の知識があるか、観戦経験がある
まず最初にリスティングされているのがコミュニケーション能力。多くの人と接することになる大会ボランティアはやはり上手く人と関わることができる人でないと...ということなのですね。
通訳案内士の資格自体が有利になるかどうかはわかりませんが、海外の方と接する可能性は十分にあることは容易に想像できるので、当然語学のできない人よりできる人を選ぶことになってくるだろうなぁと予測はしていましたが、やはり語学力は必須の様子。
TOEICなどのテストの点数は素晴らしいけれど実際話させてみたら
「…(絶句)」
という勉強好きの日本人の方はおそらくたくさんいます(と個人的に信じたい!)。
そういう点でも通訳案内士の方が日々鍛えているコミュニケーションスキルは大いに役立ち、高い語学力を持っていることでも優位と考えていいでしょう。
面接を含む拘束時間に関しても比較的時間の融通が利く専業やフリーの通訳案内士にとってはなかなかお休みの取りにくい一般企業勤務者に比べてもクリアしやすかと思います。
競技運営の場合、競技を知っていないとできないことはわかるのですが果たしてどうやって知識力を図るのでしょうね...。
専門性が重視される「大会ボランティア」ではありますが、ボランティアの業務は、会場への誘導や警備、交通整理なども含まれると推測されます。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会によると、「条件はあくまでも素案であり、募集要項の正式決定は2018年8月ごろ。どのような要件にするかはこれから話し合いを重ねて具体的にしていきます」と説明していますので今後の情報も気にしていきましょう。
では「都市ボランティア」はどうか?
現段階ではまだボランティアの応募要件などは未定ですが、東京都が募集する「都市ボランティア」は、現在東京都が実施している
おもてなし東京(観光ボランティア) を核に構成していきたいと考えているようです。
こちらの「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座、大盛況のようで、育成講座のエントリーでさえ想像以上に倍率高いですね...
東京都主催の講座以外にも市町村が独自で同様の育成講座を実施しているようですのでそちらもチェックしてみてください。ボランティアは未経験者が誰でも「やります」といってすぐにできるほど簡単ではありません。当然無償ですし、タダで観戦ができるという甘い考えでは務まりません。選抜される上で大事なのは語学力だけではなく、過去のボランティア経験や熱意も大いに問われますので、今からでもボランティアとはどういうものなのかを知り様々な経験を積んでおくと良いでしょう。
競技団体が独自にボランティアを募集するケースもある
日本セーリング連盟は、すでに今後日本で行われるセーリング大会運営のためのボランティアを募集しています。
2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた 日本セーリング連盟競技運営ボランティア登録のご案内
早くからボランティアを募集する理由としては「オリンピックのプレ大会が2018年にあるから」「会の約束事などをじっくり学んで欲しいから」といった事情からだそうです。
また、こちらでボランティアとして活動し、選抜を経た人がオリンピック競技委員会にボランティアとして推薦されるというメリットもあり、「通常の応募よりも採用される可能性が高まる」そうです (推薦されても組織委員会の選考は受ける必要あり、オリンピックボランティアとしての参加が決定するわけではない)。
このように、一部の団体はすでに動き始めているので、スポーツをしている方は各団体に問い合わせてみるといいかもしれませんね。また日頃からの情報収集がとても大事です。
まとめ
過去の大会の多くは大会2年前からボランティア募集が開始されました。
2020年東京大会の場合も「大会ボランティア」の募集は2018年夏ごろを予定、
「都市ボランティア」については、詳細が決まり次第公式サイト等でお知らせ、とのことなのでこまめにHPをチェックし募集告知を見逃さないようにして五輪参加の切符を手に入れてみてはいかがでしょうか?
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会