以前『通訳案内士の仕事内容はどんなもの?(ママガイド版)』で子育て中主婦ガイドの

一年の稼働日数を公開しましたが、ご参考までにフルタイムでエージェントと契約されているガイドさんの年間稼働数も公開したいとおもいます。

 

今回ご好意で公開させてもらいましたガイドさんのスペックを簡単に紹介しますと

・ガイド歴 4年4ヶ月(2016年7月現在)

・女性 40代前半 シングル

・一年通してスルーガイド(公共交通機関で旅する1週間〜2週間の少人数ツアー)をメインに日本全国を駆け回る。拘束時間はおおよそ朝8時から夜8時まで。

・ツアーがない時にはシニアガイドとして新スタッフ育成のための研修、面接にも同席、

 オフィススタッフのサポートも仕事の一環

・天真爛漫!こんなポジティブな人見たことないと言うくらいポジティブな愛されキャラ

 

こんなガイドさんだったらお客さんも楽しいだろうなぁという

まさにガイドが天職と言えるような女性です。

 

 

フルタイム通訳案内士の一年の稼働日数は??

さて、以下日数は彼女の2015年度の稼働日数です。

年間の決められた休みは91日+有給ですが場合によってはツアーとツアーの間の日があいて

思いがけず一週間以上お休みになったり...ということもあるために実際のお休みは91日よりも多めになっています。

急にお休みができた時は、フラッと沖縄まで遊びに行ったりするそうで羨ましい限りです!

 

 

2015年 ツアー稼働日数

1月       5日

2月     10日

3月     23日

4月     29日

5月     15日

6月     14日

7月     26日

8月     24日

9月     18日

10月   23日

11月   15日

12月   16日

合計 194日

(ツアー本数としては17本)

 

休み 139 日 (うち10日有給)

 

オフィスワーク、ツアーの準備に当てる日数 32日  

 

彼女ほどの経験があるガイドさんだと毎年繁忙期は2週間のスルーツアーを2、3本 連続して受け持つことは当たり前になっていているようです。(2、3本のツアーのあと一週間ほど休んでまた2、3本、という感じです)。

ツアー中の息抜きはお客様の自由時間中にその土地の友達とご飯に行ったり、同じ街に同社のガイドさんがいればキャッチアップしたりと上手く気分転換しているようです。

 

気になる年収は??

さて、この稼働率で一体いくら稼いだのか気になりますね...こっそり教えてもらいました!

チップの金額含まず、350〜400万円の間とのこと(ありがとうございます!泣)

以前『通訳案内士の仕事を獲得するための4つの方法 』で観光庁の統計を紹介しましたが、通訳案内士の仕事でいわゆる日本人の平均年収を稼ぐのは正直大変です。スルーツアー専門+特定エージェント所属だからこその年収だと言えます。

 

また聞いてさらにびっくりだったのが チップの金額。

彼女のエージェントさんが販売するツアーでは、基本的にチップは回収しないのですが

(ツアーによっては、お客様に「1日 いくら分のチップをわたしてください」という約束のツアーがあります)

その額一年で65万円だったそうです。いいですね〜。

 

敢えて説明する必要もないとは思いますが

お給料やチップに関してはもちろん彼女の経験やパフォーマンスを評価されてのことですので

通訳案内士の仕事を4年間続けているからといって全員がこの金額を稼ぐようになるわけではありません。特に彼女の場合は実際のツアー以外にもオフィスワークを兼任していたりと仕事の幅も広く、それに見合った年収になります。

 

現在の満足度を聞いてみると、体力に自信はある方ではあるものの、やはり外でガイドの仕事だけでは体が大変であること、また在宅で仕事ができることでプライベートの時間も確保できる今の仕事の形態は魅力のようです。

 

また、一つの会社に所属するメリットは

自分で仕事を探す必要がなく、給料も安定していること(ツアーが仮になくても収入がある)。ツアールートはほぼ決まっているので、慣れると準備も楽になること。

フリーランスで様々なところから仕事を引き受けるガイドさんに比べるとリサーチにかける時間もお金も少なくすむのもいいところです。

また、いつでも相談できる同僚がいることは大きいと言います。

マネージャーなど責任者も含めた社員の仲がよく、解決しなくてはいけない問題やツアーに対する意見を話し合う場が度々もうけられ(お酒付き)、その環境があるからこそ辞められないとおっしゃっていました。

 

まとめ

私もフリーランスになって、専属ガイドであった時の他ガイドさんとの強い結びつきが恋しくなる時があります。スルーガイド専門の場合、自宅にいる時間も少ないのでプライベートの付き合いなどが疎遠になりがちですが、その点同僚が家族のように近い存在になりとても心強いです。旅行会社によってはスポットガイド専門の会社もありますので、ご自身の環境、体力、希望に合った働き方を見つけていきましょう。