2014年2月に観光庁が発表した「通訳案内士制度の見直しに係る調査報告書」によると、通訳案内士の現状は下記の通りとのこと。

  • 未就業者75.7%
  • 就業者24.3%

・就業者のうち、年収400万円以上は5.4%。専業者が多く、就業日数は130日/年。高付加価値(10万円/日)で、国際会議、展示会などが主要業務。東京が主な活動地域。
・年収300万円台は6.4%。専業者が多く、就業日数は120日/年。中国語を登録、香港からの顧客案内が多い。ホテル・旅館に登録しており、観光、国際会議、展示会などが主要業務。
・年収100〜200万円台は25.1%。専業者が多い。業界団体に所属し、仕事を照会。
・年収100万円未満は63.1%。兼業者が多く、就業日数は10〜20日/年。業界団体や旅行会社との関係が希薄。研修参加経験が少ない。語学力証明、趣味・自己研鑽目的が多い。

これが調査された2013年10月〜11月は、インターネットで個人のお客様を集客するという文化がほとんどなく、大半が旅行会社から受注する仕事という状況でした。

正社員が少なく、フリーランスの方が大半である通訳案内士の仕事は、一つのツアーを行うことに対して報酬を得る形態が多いです。

旅行会社から委託されるツアーの場合は、

1日8時間のツアーで15,000円〜25,000円というところが多く、スルーガイドで1日あたり20,000円〜30,000円です。

旅行会社の団体ツアーの場合、交通費別途支給、ランチ付きであることが多いです。チップは全額通訳案内士の取り分になる会社と、旅行会社が全額回収してしまう会社があるようです。

インターネットで予約が申し込まれる個人旅行客の日帰りツアーの場合、ツアー中の交通費はお客様持ち・自宅からホテルまでの交通費はツアー代に含むことが多く、

ランチに関しては、お客様の希望のレストランに行くので、ランチはお客様がご馳走してくれることが多いです。チップは全額通訳案内士がもらえます。

 

春のお花見シーズンである3月前半くらいから4月いっぱい、秋の紅葉シーズンである10月前半くらいから11月半ばまで、通訳案内士はかなり大忙しで、仕事がある程度できる人であれば希望すればほぼ毎日でも仕事があります。

それ以外の月に関しては旅行会社の団体ツアーが少なく、ガイド日数が少なくなり、収入が安定しないことが多いです。

インターネットでの個人の旅行客の場合は、春と秋以外にも一定数常にいるため、口コミがたまっていれば年を通じてガイド日数は安定します。

月に20日フルにガイドすれば、月収30万円〜50万円は稼ぐことが可能ですが、よほど効率的に仕事のスケジュールが組み合わさらないと年間を通じて安定的に月20日フルに働くことは難しいです。

現状、働き盛りの男性の通訳案内士の方が少ないのは収入の安定性の低さが原因です。今後、もっと全体の需要が増えてくることによって、できる通訳案内士の方から年間通じて安定的に仕事を獲得できるようになってくることが予想されます。

小さなお子さんや介護者などを抱えていて、働く時間に制限のある主婦の方にとっては、インターネットで集客することはとても効率良く仕事を得ることができます。

例えばお子さんが学校に行っている平日8時から16時までの短い時間のツアーのみを行うことが可能です。時給換算すれば、スーパーなどでパートをするよりかなりよい収入になります。

そのためには、旅行会社から仕事を待つ姿勢ではなく、自らインターネットを駆使して安定的に仕事を獲得しに行くことが必要です。