さて、今回はより具体的に、どうしたら通訳案内士の仕事を獲得できるかということについてお話したいと思います。

 

3年程前までは、通訳案内士が仕事を得る方法としては

通訳案内士団体に所属してみる

もしくは

旅行会社に営業する

の2つしかありませんでした。

 

新人ガイドさんを育てて一人前にするには、当然ながら時間もお金も投資する必要があるため 即戦力を求める旅行会社から仕事をもらうのは新人ガイドさんにとっては難しく、なかなか仕事が回ってこない...という状態が続いていました。

しかし、訪日外国人観光客数の増加、通訳案内士業界にもIT化が進み仕事獲得の流れは変わりつつあります。

 

そんな中で個人的に一番オススメするお仕事の獲得方法としては

 

「旅行会社、通訳ガイド団体、人材派遣会社などに登録する」

             +

「ネットを駆使して自分で集客する」です。

 

具体的に見ていきましょう。

 

その1. 旅行会社、通訳ガイド団体、人材派遣会社などに登録する

まずは王道の仕事獲得方法としてお仕事を依頼してくれるソースに複数登録してみましょう。

通訳案内士の仕事を専業でできる方は平日、週末、ツアー日数や時間関係なく、フレキシブルに働くことができるという点が何よりのアピールポイントですので、スルーツアーも扱う旅行会社などの「会社」、「団体」とは一番需要と供給のバランスが取れると言えます。


旅行会社や人材派遣会社は「会社」ですので採用試験や面接に合格し、晴れて登録となります。採用する側としては、語学が堪能、有資格者であるか以前に当然社会人としての常識があるか、ポジティブであるか、謙虚ながら自信があるかなど基本的な為人も見ながら採用します。

通訳ガイド歴がまだ浅くても、今までの人生経験がガイドの仕事にどんなに有利になるか、またご自身の持っている専門知識がガイドの仕事をする上でどんな風に役立てるかなどもアピールできるといいですね。

さらに、通訳ガイドの仕事は必ずしも日本の会社だけが募集しているわけではないことも覚えておくといいでしょう。

 

旅行会社、人材派遣会社に登録するメリットは

-仕事を獲得しやすい

-スルーガイドの仕事ができる

-サポートが手厚い(独自の新人研修を受けられる、フォロー体制が整っている)

-収入が安定しやすい

-個人では簡単に得られないようなチャンスが巡ってくる...かもしれない(メディア出演など)

 

とはいえ、繁忙期と閑散期が比較的明確なこの業界では旅行会社の社員としてフルタイムの仕事が確保できない限り(月収、という固定給でない限り)、会社だけに頼って年間通して生活していくには難易度は高めといえます。キャパオーバーにならない程度に他からの収入源とのバランスをとっていきましょう。



また、この業界では通訳案内士団体がいくつか存在し、通訳案内士試験合格後の実務に関わるスキルアップのための研修や就業サポートをしてくれます。

 

こういった団体に所属するメリットは

-入会金や研修費を払えば誰でも所属できる(選考試験などは基本的になし)。

-様々なテーマに沿って自分の仕事に役立つ研修が受講できる。

-相談し合える仲間ができる。

-通訳ガイドとしてのお仕事をもらうことができる。

という点にあります。

 

デメリットといえば

-登録している人数が多いのでガイドの仕事はどうしても経験者優先になって新人に仕事が回ってこない。

-研修にハマってしまい気をつけないとかなりの出費になる...。

ということでしょうか。

 

また、誰かから仕事をもらう場合は当然ながら信頼の積み重ねが何より大切になりますので、メールの返信を速くする、ルールを遵守する、提出物の期限は守る、臨機応変な対応を心がけるなど一般的な社会人としてのルールの他にお客様からのいいフィードバック(口コミ)をもらうことが次につなげる鉄則となります。



その2. ネットを駆使して自分で集客する

家庭のことも忙しいママガイドさんや他にお仕事をされているガイドさんにとっても仕事の依頼本数を増やすという点でソースは多い方が当然良いわけですが、稼働日や時間が限られている中で、自分の都合を旅行会社さんに合わせてもらうことは簡単なことではありません。また他のガイドさんも在籍している中で、自分にあった仕事が必ずしも自分にくるとも限りません。

その点を踏まえ、兼業の方にはご自身のスケジュールが空いていれば すぐに成約できるネットでの集客にも挑戦してみましょう。

 

ここ数年で個人のガイドサービスをネット上のプラットフォームを通してお客さんに直接販売することがとても簡単になりました。

こちらの Triplelights(トリプルライツ https://triplelights.com/ )では 

ご自身の得意分野や得意なエリアをツアー商品として販売することができます。そのため、旅行会社などからの仕事を待つことなく、自分で積極的に仕事を獲得することが可能になったのです。

ネットで集客することのいいところは何と言っても直接お客様と連絡しあえること。誰かが間に入ることで起こる連絡漏れやミスマッチの心配もなくなりますし、自分が引き受けなかったとしても、今後の仕事に影響したり...というような心配もありません。

 

こういったサービスを使うメリットは

-お客様が来るまで無料で集客ができるところが多い(自分のツアーをネット上で販売するのに費用が発生しない)。

-自分の本当に提供したいツアーを作って販売できる。販売価格も自分で決めることができる。

-自分の頑張り次第(メールの返信を早くする、文章をわかりやすくする、口コミを増やす)でより多くの集客ができる。

-事前にお客様と直接連絡を取り合えることでより仕事がやりやすい(マッチングがうまくいくことが多い)。

-お客様とのやりとりも含めバックアップ体制がある。

 

初心者でも得意とするエリアの案内からはじめ、ご自身が得意としている分野(お料理や武道など)も含んだツアーにしたい、などという場合にも役立つでしょう。新人ガイドさんが経験を積むためにも とてもオススメの方法です。

 

デメリットといえば

-ツアーが成約した場合、サイト運営会社への手数料が発生する

くらいでしょうか。

 

また同じネットでの営業でも、プラットフォームを使わずに自分だけに注目して欲しい!という方はご自身でホームページを持って集客することもできるでしょう。

 

そのメリットは

-自分のカラーを全面に出した集客方法で全世界に売り込める

-自身のSNSとの連携で意外なところからも依頼がくる

 

ただしデメリットは

-何かと費用がかかる(HP管理費、ツアーが成約しても送金手数料など)

-作成、管理に時間を取られる

-SEO対策が甘い

-バックアップしてくれる人がいない

思い浮かぶのは正直デメリットの方が多いですね...

 

また、ネットを使ってお仕事をもらうには大前提として お客様にまず

「この人に依頼しよう!」と思ってもらう必要があります。

さてここで必要なのは他のガイドさんとかぶらない行程でしょうか?スキルでしょうか?

まずは、いかに第一印象をよく見せるか、ということに情熱を注いでください。

プロフィール内容もさることながら、気にすべきは写真です。

自分を商品として売りたいのにここが欠落している方が残念ながらとても多いです。

「...免許書の写真ですよね??」というくらい愛想のない写真を使う方、はたまた小さすぎて表情が読み取れない方...。

カスタマーサービスをする立場で 感じの悪い写真を使って自らお客様を避けるのは 本当に理解不能です。いや、本当に多いんですって、特に男性の方!!
編集ソフトでいくらでもシミや法令線は消せます、屋外で撮るだけでも表情は明るくなります。フォトスタジオにまでいかなくとも、ぜひ通常より2割増しくらいの笑顔の写真をこのためだけに誰かに撮ってもらい、自分を売る努力をしてほしいと思います。

自撮りはプロフェッショナルには見えませんのでオススメしません。

 

プロフィール内容もお客様に自分を知ってもらうための大切な要素ですので、お客様に親密感を持ってもらえるような共通点、思わず「もっと聞かせて!」言いたくなるような興味を引くネタなどがあるといいですね。

 

また地道に口コミを増やしていくことも重要です。
良い口コミの影響力は凄まじく未来の仕事に大きく影響してきますので、ツアー中に少しでも「この人書いてくれそう...」と思うなら 是非別れ際にお願いしてほしいと思います。また別れた後に、ツアーに参加してくれたことへの感謝の気持ちとともにツアー中に答えることのできなかった質問の回答や次に訪れる都市のオススメ情報などをメールを送り、最後にかわいく、さりげなく口コミのお願いもしてしまいましょう!

 

ネガティブな口コミは精神的ダメージも大きく、正直とても落ち込みますが基本的に自分の仕事ぶりを他人にダメ出しされることがないこの仕事で 喝を入れて入れてもらえる、ありがたい機会として受け止めましょう。謝罪のお返事もきちんとできるといいですね。

SNS、ブログなども大いに利用し、集客につなげられれば言うことなしです。




まとめ

以上からもおわかりのように通訳案内士の仕事は様々な経路で発生します。

ご自身のライフスタイルに合わせて受注先の割合を考えていきましょう。

口コミはとてもわかりやすい、大切な「実績」でになりますのでツアーを面白いものになるよう工夫するのはもちろんの事、同じくらい重きを起きましましょう。

自分で仕事を選べるくらい評価を得ることができればツアーの単価も上げていくことができます。経験をつんでいけば実際のガイド業務以外にも研修の講師や執筆活動、新たなビジネスをスタートするなど収入源も増えていきます。