通訳案内士にとってボランティアガイドをするメリットとは

ボランティアガイドと通訳案内士との違い

通訳案内士の資格はまだないけれど、通訳ガイドの仕事をしてみたい。また、資格を取ったばかりで経験を積みたい。そんな時に浮かぶ学びの場といえばボランティアガイドではないでしょうか。

 

ボランティアガイドと通訳案内士の違いとして、有償か無償かの違い以外によく英語力の差が挙げられますが、その他に案内するエリアを限定しているかしていないかというところに大きな違いがあります。

日本各地の観光地にはだいたいボランティアガイド団体があり、英語でのガイドを提供しているところも多く、かくいう私も新しいエリアに下見をしに行く時などはその恩恵に預かることがあります。

海外からの友人に同行している時などは英語での案内もお願いすることもあり、無料でガイドサービスを受けることができるのは正直とても助かります。語学力に関しては個人差があるのは確かですが、

ボランティアガイドさんは多くの場合とても勉強熱心で、しかも熱く、とても詳しくそのエリアを説明してくださいます。

 

一方で通訳案内士になると一つのエリアだけでなく、フィールドは全国、説明する分野も幅広くなります。持つべきスキルは高い英語力に加え歴史や地理の知識、時事問題にも的確に答えられないといけませんし、グループのマネジメント能力や旅程管理能力が必要になります。それがあってのプロであり、有償でサービスを提供できます。

 

こう書くとやはり通訳ガイドって大変そう...自分にできる自信がない。それなら、英語を話して国際交流したいし、日本語が話せない旅行者の手助けをしたいからボランティアガイドになろう、と思うのは当然のことだと思います。そしてボランティアガイドを経験して自信をつけ、プロを目指そうするのはとてもいい流れだと思います。

 

実際に通訳案内士の資格を取得した後でもボランティアガイドを続ける方は多いようで、はじめはガイドの仕事も少ないので、その時間を使ってガイドの経験を積み、英語力をキープするのはとても有効な時間の使い方だと思います。まだ資格がない方にとってもボランティアガイド団体に所属することは実際の通訳案内士の仕事がボランティアガイドの仕事とどう違うかを知るいい交流の場になります。

 

 

通訳案内士がボランティアガイドをする理由

私は通訳案内士の仕事をして10年になりますが、一度もボランティアとして通訳ガイドの仕事をお引き受けしたことがありません。その理由の一つとして、比較的早い段階から通訳ガイドを生業として報酬を得ていたから、というのがあるのですが、今回調べてみると私の想像以上に通訳案内士の免許があってもボランティアガイドをされている方が多く、驚きました。

現役の通訳ガイド仲間で、地域の観光ボランティアに参加された経験のある方々に、報酬がないにもかかわらずボランティアガイドをする理由を聞いてみると、多くはもちろんご自身の勉強のためとのお答えでした。

結果として、実際の通訳案内士としての業務が忙しくなるとボランティアからは少し離れてしまう方が多かったのですが、まだ仕事が安定していないうちはボランティア活動することで自分の英語力をキープできたり、ボランティアとはいえ先輩ガイドの解説やホスピタリティから学ぶこともとても多かったと言います。

 

また所属してよかったこととしてあげていただいた中で特徴的だったのは

 

・上下関係、利害関係がなくてやりやすい

・ボランティア運営、ゲストとのやりとりは全て事務局が対応するので楽

・楽しみながら知識を増やす研修から真面目な内容までボランティアガイド会の研修内容が充実してい る

・会によっては著名人を読んで勉強会

・有志での研修も盛んに行われ、わからないことがあると誰かが教えてくれる

・普段話す機会のない年代の方と交流できる

 

というゆるく楽しい雰囲気が伝わってくることでした。

そして学ぶことを仕事としてではなく、趣味としていること。お客さんを案内する以外に、そのエリアや分野に関してのマニアックな知識を増やし、発表する場として使われていることを知り、免許取得後もボランティアガイド団体に所属したくなる気持ちがだんだん理解できました。

 

ボランティアといえど会によっては説明会に出席し、選考、面接で意欲や英語力を確認したりと独自の選考方法があるところがほとんどで、それぞれ高いガイドクオリティを保とうとしている努力がわかります。特定エリアや分野においては私よりもはるかに知識が豊富なガイドさんがたくさんいることが想像できます。

年会費や入会金もありガイドだけではなく、会の運営活動にも協力的でないといけませんが

どこか特定のエリアやジャンル(文化体験等)に詳しくなりたい、という現役通訳案内士にとっても自己研鑽の場になることがわかりました。

 

 

名称独占になることで通訳案内士の資格を取る必要はあるか?

私たちにとって、ここ最近の大きなニュースといえば通訳案内士資格が業務独占から名称独占になることが決まったことでしょう。これにより、近い未来ボランティアガイドも有償でガイドサービスができるようになります。

ではそんな中、通訳案内士の資格を取得するメリットはどこにあるのでしょうか?

単純に考えれば資格保持者が高いガイディングスキルや知識を武器に高額でのサービスを提供できるようになり、無資格のガイドさんは安さをアピールしたサービスでの集客をすることになります。

現在でもそうですが、プロの通訳案内士の仕事となると常にお客様第一に考えることが必要で気が抜けず、楽しいことばかりではありません。ですが、より高いパフォーマンスが期待される環境で緊張感をもって仕事をし、感謝され、サービスに見合った報酬が与えられるやりがいはとても大きいです。

また、無資格ガイドさんとの差別化により質の高いサービスの価値を理解してくれるお客様を案内することになるでしょう。

より高みを目指したくなり、活躍の幅を広げたくなるプロの通訳案内士の仕事は自分のキャリア形成に多くの可能性をもたらしてくれます。

 

一方で現在ボランティアガイドの方が提供しているサービスの強みといえば、エリアの豊富な知識。ここにさらなる英語スキルの向上と見せ方の工夫、斬新なアイディアが伴えば、通訳ガイドの良いライバルになりえます。お互いが刺激しあえる言い関係を持つことができれば良いですね。

 

 

 

まとめ

今まで報酬をもらって通訳ガイドの仕事をすることが当たり前になっていた私にとって無償でガイドをする理由、特に有資格者がボランティアガイドとして登録する理由がわかりませんでしたが、今回の取材からボランティアガイドは実際にお客様を案内するだけでなく、会員同士で広く知識の交流があることがわかりました。

私が特に惹かれたのは、特定エリアに精通している年配の会員さんから昔の話を聞くことができるということ。自分の理解がより深まり、自分の説明にもより説得力が出るのではないかと思いました。また自分が現役通訳案内士として還元できるものはシェアし、お互い利害関係が絡まない、良い関係を築くことができそうでとても興味が湧いてきました!

 

最後に今回お話を聞かせていただいた現役ガイドさんがオススメしてくださったボランティアガイド団体を紹介します。ぜひご参考にしてみてください。

個人的には江戸東京博物館のボランティアが気になります!(天候に左右されない室内ですし!!)

 

東京フリーウォーキングツアー

https://tfwt.sharepoint.com/Pages/Blog.aspx

 

外国人おもてなし語学ボランティア

http://omotenashi-volunteer.com/

 

江戸東京博物館ボランティア

https://goo.gl/fH1yzq

 

東京SGGクラブ

https://tokyosgg.jp/

 

成田空港ボランティア スカイレッツ

http://skylets.or.jp/

 

全国ボランティアガイド団体一覧

http://www.jnto.go.jp/eng/arrange/travel/guide/list_volunteerGuides.php